お世話になった楽器達

中学1年吹奏楽部でトランペット(TP)を始めてからこれまで、お世話になった楽器達(入手順)です。
マウスピース(MP)は楽器入手時に使用していた物ですが、今では相当変わってしまいました。


ニッカンインペリアル
332(後期型)+バック7C
 中学2年の4月に貯金をはたいて買った楽器です。その直後この楽器で、熊本においでになられた北村源三先生の公開レッスンを受けました。
 ラッパをやりたいと親父に話したところ、身分を考えろと言われ、晩酌中のビール瓶でこづかれてしまいました。
 1.趣味でやること
 2.自分の金で買うこと
 3.免税で買う方法を考えること
 以上の条件を満たせばOKと言う事になりましたが、当時は消費税ではなく贅沢品には物品税が掛かりましたので、3.には苦労しました。
 この楽器は大学1年の秋まで使いました。さすがにオーケストラで使うには、Mボア+太ベルの組み合わせでは無理が出てきたので、別にバックを買ってしまいました。

バックC180ML
229/25H+バック6C
 
 オケをやるならC管を、と一人で勝手に決めて大学合格が決まった春に買いました。ハーセスモデルの一言に心を奪われ早速購入。しかし、いざオケに入ってみると当時熊本ではC管は珍しくなかなか本番では使わせてもらえません。
 デビューは夏の演奏旅行での「おもちゃのシンフォニー」、例のパンパカパンです。他のおもちゃ達と並んで最前列でただひたすらGを吹き続けました。オケでは1年生の度胸試しと決まっていました。やってみるとこれがなかなか人前では当たらないんですよ。
 ほとんど、クインテットでしか使いません。特にボザのソナチネの様な動きのある曲にはむいているようです。

バックS180ML
37/25+バック6C
 先のニッカンでは音が飛ばなくなったので、大学1年の冬の定期演奏会に間に合うように手に入れました。
  この楽器がすり切れるまで練習したものです。クインテットのメンバーとも話しますが、20歳迄にどれだけ練習したかが、それから先の自分自身のラッパ寿命を決めると思います。
 これ、30歳を過ぎると本当に実感しますよ。
 2000年の春・夏の甲子園では、地元九州学院の応援でこの楽器を使いました(MPはバック1ハーフC)。

ヤマハプロモデル
732+ジャル.10V
 つい出来心で買ってしまったヤマハのロングタイプコルネットです。
 ロングタイプは、本当の意味でのコルネットでは無いですよね。でもTPと同じカップのMPが使えるので持ち替えが楽なんですよ、その分音色が犠牲になりますが、この楽器はMボア+太ベルの組み合わせでバランスを取っています。

ヤマハカスタム(A.ギターラモデル)
9820(B♭管)+バック10ハーフC
 ピッコロTPを初めて吹いたのは高校の頃、近所の楽器屋さんでのヤマハフェアーでした。その時、シルキーの3本ピストンショートタイプ(オールドカスタム982タイプで下記P4とは別物。)があったんです。

参考:シルキーP4

 当時はアンドレ全盛の頃でしたからピッコロと言えばセルマー。これがきつい楽器なんです。自分には向かないので諦めていたのですが、戸部先生の公開レッスンで先生が使っておられたのがヤマハの9820(特注品)。先のシルキーに近いもので、今の9820Cと違い元ボストンSOのA.ギターラのパーソナルモデルです。彼のアイディアで、3番管に1音下がるエクステンションロータリーバルブが付いてます。

<ヤマハピッコロ916シリーズの流れ>
 916(ノーマル3番管タイプ)95oベル
 982(ノーマル3番管タイプ)95oベル
 9820(ノーマル3番管タイプ)101oベル
 9820(エクステンション3番管タイプ)101oベル
 9820(上記2つの3番管をConvertできるタイプ)101oベル
 9825(エクステンション3番管タイプ)101oベル

 NYブラスクインテットのR.ネーゲル先生に熊本でレッスンして頂いた際にこの楽器でブランデンブルグの2番を吹いていただきました。先生が若い頃はF管しか無くこの曲には苦労させられたそうです。ちなみに、先生とA.ギターラはジュリアードで同期生だったそうです。
 使用しているピッコロTPの中ではこの9820の音色が一番暖かく感じます。
 ちなみに、A.ハーセスも最初期のヤマハ3本ピストンピッコロトランペットを使用していました。

マウントバーノンバック(1961年製)
+バック1ハーフC
 マウントバーノンバックで、これを見つけたときには驚きました。高校のOBバンドに先輩が持参された物で、高校卒業記念に当時購入されたそうです。付属のMPはNYバックの7C。何とか拝み倒して、新品のアルトサックス+購入価格現金で譲っていただきました。
 古いバック独特の薄い赤ベルでとても暖かな音がします。でもマウスパイプが7o程短く、440で使うには多少無理が有ります。ボアはMLです。でかいMPとしか相性の無い、わがままな楽器です。

ヤマハカスタム
9620(E♭管)+バック1ハーフC
<ヤマハD/E♭管の流れ>
 ヤマハのD/E♭管はベルが小さい順にショートタイプ6610(D/E♭)・ロングタイプ9610(D/E♭)以上120oベル・9635(E/E♭)123oベル・そして9630(E♭)127oベルの4本と、Artist Model 9535(D)・9636(D/E♭)の2本の、計6本があります(2005年1月現在)。

参考:ヤマハ9630
(海外流通品2005年1月現在J.ウォレスモデル)

(127oベル・Mボア・第4バルブB♭キー付き)


参考:シルキーE3L−4

 ショートタイプのほうが、ピッコロもそうですが小回りが利きやすいですね。今度、9620は英雄の生涯(戦いの部分)でオケデビュー致しましたが、6445S(C管)との持ち替えもスムーズにでき、良い楽器です。

 カスタム9620は、現在のプロモデル6610や初代カスタム910・オールドカスタム962M・オールドプロモデル761(昔はプロモデルにもC・D・E♭管のラインが有ったんです。/1972年10月現在、海外では80年代後半まで。)などと外観は同じなんですが、各々別物で特にベルがそれぞれ異なるようです。

 761が1986年(751は1987年)に製造終了し、同年9620が誕生しました。途中1975年に誕生した962Mは、1980年に型番が4桁化された際にカタログから消えました。型番からすれば9620は962Mの後継機種のようですが、962Mの国内販売終了以後も、761は海外流通品として9620が出来るまで販売されておりましたので、実際のところ761≒962Mの可能性が強いと思います。

 1975年に初代カスタムの型番が一新されます(後述)が、この頃から(761のように)海外流通品プロモデルの一部が国内番のカスタムとしてレギュラー化したのかもしれません。

 その後9620は1994年に6610に受け継がれ現在に至ります。また、910は127oベルを持つショートモデルで、ベルチェンジタイプの913は961M・9610として受け継がれています。

<ヤマハトランペット1965年からの流れ>
 ヤマハは、1965年本格的に管楽器の製造に着手し、YTR−T・YTR−U(1966年R.シルキーをコンサルタントに迎えました。)の開発を経て、1968年プロモデル以下の14機種を完成させ、1970年11月初代カスタムシリーズの発表に至りました。

 ヤマハ初代カスタム(900番台)は、その名の通り受注品(カスタムメイドと言っていました)でした。プレイヤーとの試行錯誤を通しモデルラインされましたので、現行モデルのような表記ではありませんでした。(1974年6月現在)
 *901 B♭ M黄Lq (カスタム第1号)
 *902 B♭ M赤Sp
 *903 B♭ ML黄Lq
 *904 B♭ ML黄Sp
 *905 B♭ L赤Lq
 *906 B♭ L黄Lq
 *907 C M赤Sp
 *908 C ML黄Lq
 *909 C L黄Lq
 *910 D/E♭ M黄Sp(E♭替管付)
 *911 B♭ ML黄Sp(ベル2本付)
 *912 C ML黄Sp(ベル2本付)
 *913 D/E♭ M黄Sp(D・E♭替ベル付)
 *914 F/G  M黄Sp(F・G替ベル付)
 *915 B♭ピッコロ S黄Lq(4本ピストン)

  915L(915のストレートモデル)
  916 B♭ピッコロ M黄Sp(3本ピストン)
  917 B♭ピッコロ M赤Sp(4本ピストン)
  917L(917のストレートモデル)
  918C C ピッコロ M黄Sp(4本ピストン・海外流通品)
  919 ?
  920 ?
 *921 B♭ ML黄Lq
 *922 B♭ ML黄Lq
 *923 B♭ ML黄Lq
 *924 C ML黄Lq

 *:1970年11月発表、初代カスタム19機種です。
 *:921〜924はシルキー以外のブランドのベルを手本としたベルを採用したモデルです。


 プロモデル以下のモデルラインは、当初より後述する表記に統一されていました。またプロモデルより下位のピストンはニッケルメッキで、それ以上はモネルメタルです。(1972年10月現在)

 国内では、プロモデルと言えばカスタムの下位に位置づけられてしまいます(この為、初期ゼノシリーズ・800シリーズ・83シリーズの様な日本国内だけの呼称が生まれたようです。)が、海外でプロモデルはプロ対応「レギュラーモデル」であり、カスタムは「受注品」を指しています。従って、カスタムはカタログに載っていないモデルや、同一品番でも別物なモデルが多数存在します。
 カレッジモデル
 @135 B♭ M黄Nip
 A232 B♭ ML黄Lq(海外流通品)
 A233 B♭ M黄Lq
 B234 B♭ ML黄Lq
 インペリアル
 C332 B♭ M赤Lq
 プロモデル
 D632 B♭ M赤Lq
 E634 B♭ ML赤Lq
 F732 B♭ M黄Sp
 G734 B♭ ML黄Sp
 1968年当時のヤマハは基本的にMボアで、3桁目が4のモデルがMLボアでした。プロモデル下位のLボアは738(海外流通品1974年)からのようです。
 1968年以前のB♭管で、331・231・134等はニッカンベースのモデルでした。(431T:ヤマハベース/1980年海外流通品)

 YTR−631はニッカンベースモデルとご紹介致しましたが、当時の関係者の方から「YTR−631は存在しなかった。」旨ご連絡頂きました。
 H641 C M赤Lq
 I741 C M黄Sp
 J651 D M赤Lq
 K751 D M黄Sp
 L661 D/E♭ M赤Lq(D・E♭替管付) 
 M761 D/E♭ M黄Sp(D・E♭替管付)
 *赤ベルLq仕様の641・651は短期間(1971年〜1972年)製造され、黄ベル銀メッキ仕様の741・751・761は現在のモデルへと繋がりました。751と761が120oベルで、651はそれよりも少し小さい114oベルです。


参考:ヤマハオールドカレッジモデル232(海外流通品)


参考:232のケース
(233・234ではなく332前期型と同等品)


参考:ヤマハオールドプロモデル641


参考:ヤマハオールドプロモデル738(海外流通品)


参考:ヤマハオールドプロモデル741


参考:ヤマハオールドプロモデル745(海外流通品)


参考:ヤマハオールドプロモデル651


参考:ヤマハオールドプロモデル661
*E♭替管セット


参考:ヤマハオールドプロモデル751(初期型)


参考:ヤマハオールドプロモデル751


参考:ヤマハオールドプロモデル761(初期型)
*D替管セット


参考:ヤマハオールドプロモデル761
*E♭替管セット

700番台のプロモデルは銀メッキを表しております。)

 一方カスタムも1975年以降、2桁目がキーを表す表記に統一されました。(2桁目 0:シルキータイプベルのB♭・C管/1:ベルチェンジのB♭・C管を含む特殊管/2:ヤマハオリジナルベルのB♭・C管/は初代カスタムで使用。)
  3/B♭管
  4/C管
  5/D管(例:ロータリーD管 YTR−955
  6/E♭またはE管
  7/G管(短管F管の有無は不明、長管F管は有)
  8/ピッコロB♭管(例:YTR−9840 E.タールモデル
  9/ピッコロC管(例:YTR−991(海外流通品)

 さらに1980年4桁になりました。但し、ロータリーTPは3桁のままです。
 9000番台国内外カスタム受注品
 8000番台国内カスタム流通品(1982年)
 6000番台国内プロモデル
   〃    海外プロモデル(一部国内8000番台相当品)

 その後の品番につきましては、海外のヤマハのページをご参照下さい。海外流通品の6335(国内番800シリーズ)を中心にして考えると、現在のモデルラインは非常にわかりやすくなっているようです。
 (5335GSAL<Allegro Trumpet>6335JU等、地域限定品もあるようです。)

上記D管
 先のR.ネーゲル先生がおっしゃられたのですが、オケのレパートリーでD管が指定されていた場合(春の祭典・展覧会の絵.等)は必ずD管で演奏すべきだそうで、安易にその他の楽器を使うべきではないそうです。
 先生はブルーノ・ワルターのコロンビアオーケストラ等レコーディングオケでも吹いておられたそうですが、当時のオケ吹きの必需品はB♭管とD管だったそうです。
 

ジュピター
416+バック1ハーフC
 車に積んでおくと、ちょこっとしたときにさらえます。以上!

ヤマハカスタム(特注品)
8310ST+ジャル.10FL
 シルバーよりも赤ベルの方が、自分は暖かな音がするんです。MTバックの赤ベルとの相性も考えていろいろ探しましたが、結局先の9820と同じようにヤマハに作ってもらいました。
 C.マンジョーネが使っているタイプ(旧631で631GSの原型)で、輸出モデルには有るんですけど、そちらは売ってもらえずカスタム仕様となりました。結果大正解、皆さんも赤ベルフリューゲルを試してみて下さい。今ではいろいろなメーカーから出ていると思います。

B&S
+ヤマハ15E4
 ロータリーはどうしてあんなに高価なんでしょうかね。旧東ドイツ圏に安いメーカーがあったので買っちゃいました。試しにハイドンを吹いてみましたが曲のイメージが変わってしまいました。すごい!
 長く練習用でしたがマラ1に使いました。相当きつかったのですが、無理をしてでもドイツの曲にはドイツの楽器を使った方が説得力が増すような気がします(当たり前なんでしょうけど)。音程等気にすれば臆病になってしまいますが、音色・響きはぜひ体験してみて下さい。でもMPは必ずロータリー用にしてくださいね。

バックS180ML
37/25+バック1ハーフC
 ここらへんからB♭管の旅が始まってしまいました。
これは、チューニング管がラウンドタイプになっています。ここが変わるだけで、全てが変わります。

シルキーBシリーズ
B5シルキー11A
 理由はありません。シルキーが吹きたくて買いました。でもソロを吹くときには金メッキはいいですよね、ブレスの最後の一絞りまで音になってくれます。とにかくきれいな楽器です。
 マウスパイプからの広がりが、チューニング管までも続いていたり、バルブを繋ぐ管が開放管優先でストレートになっていたり、細かなところにまでR.シルキー根性を感じます。

ヤマハカスタム(限定品)
8335US+ヤマハ11B4-ST
左:YL−Uベル 右:YT−Hベル
 シルバーベル(YL− U: バック37ベル相当?)と、少しヘビーで喉が太いイエローベル(YT−H :バック72ベル相当)のベルチェンジシステムで、曲のイメージに合わせてセットすることが可能です。
 最近の例では、ショスタコの5番とチャイコ4.5.6番にはシルバーベル、シベ2にはイエローベルを使いました。瞬時に大量の息を入れるのには、イエローベルの方が良さそうです。
 ベルチェンジは、1970年初代カスタムシリーズ(911・912・913・914)誕生時からのヤマハとシルキーのお家芸です。マウスピースと同じくらいにベルが選択しやすければ、もっと一般に浸透するシステムだと思います。

ヤマハ初代カスタム
914(F管)+ヤマハ11B4-ST
 ヤマハ初代カスタムのF/G管です。ピッコロを常用しておられる方はおわかりでしょうが。B♭管ピッコロではキーによってはすさまじい指使いになります。それを解決するには、
  1.D キー・・・A管 
  2.C キー・・・G管 
  3.B♭キー・・・F管 
にすると♭一個の指使いで吹けてしまいます。自分は音痴ですから気になりませんが、絶対音感が有る方には苦痛な方法です。できればMPは出来るだけB♭管のと同じ物で試してみて下さい。持ち替えも楽ですよ。個人的には、F/G管まではピッコロではないと思うんですけど。


上記G管
 ヤマハ初代カスタム914のG管のベルは、現行モデル9710のベル(YK太101oベルで、9820、9820C、9830、9840、9910等、9810、6810を除く1980年以降のピッコロトランペットの太ベル。)とは異なり、F管と同じベル(Eベル。B♭管のミュートがはまる程の「喉」を持っています。)です。
 最近ロータリーを吹き出して思うんですけど、ロータリー用のMP(シュミット165)が、大変相性の良い変な楽器なんです。
 確かに、マウスパイプとベルのバランスはドイツ管(ロータリー)のバランスに近いですよね。
 兎に角、音色が良いんです。マーラーやリヒャルトには無くてはならない道具ですね。

ヤマハカスタム(A.ギターラモデル)
9820(A管)
 A管以上の短管が、やっぱりピッコロTPでしょうか。ご意見お待ちいたしております。
 ソリストのA.プログは、
  主として、C管(曲によりB♭管)
  バロック G管
  オラトリオ (バッハ) B♭ピッコロ管
  テレマンやL.モーツァルト D管
 と使い分けるそうです。

ヤマハカスタム
9910(C管)+ヤマハ7A4-ST
 ついにC管ピッコロに手を出してしまいました。
ブランデンブルグに出てくる実音G、ダブルハイトーンが出せて初めて物になる音ですが、C管ピッコロだと{ソ}の音で出てしまいます。(理屈ではね...)
 2000.01.17に71歳で亡くなったP.ジョーンズ、彼のアンサンブルで吹いていたM.レアードがこのタイプを使っていました。(メーカーはわかりませんが、3本ピストンのストレートピッコロTPも使用していた様です。)
 彼はヤマハ初代カスタム917L(写真)のマウスパイプをストレートにし、ベルスライドチューニング(左手親指で操作)に改造して使っていました。

参考:ヤマハ初代カスタム917L
(指掛が装備されておりません。)

<ヤマハピッコロ915L・917Lの流れ>
915ストレートタイプの915Lは、進化せず。
917ストレートタイプの917Lが、以下のモデル達へと進化しました。
*915Lのデザインは下記バックに似ています(ピストンは4本)。

参考:バック186(311/311)

進化する度に、
左手胴部人差指掛(@)/
右手小指掛(A)/
左手胴部親指掛・右手親指掛(C)が増え、
合計4つの指掛が装備されました。

チューニング方法は、
@Aがベルチューニング、
Bがマウスパイプチューニング、
Cは両方可能です。

キーの変更方法は、
@AC(A管)がベル延長管、
B(A管)がマウスパイプ、
C(B♭管)がベル延長管+替管セットに依ります。
ただし、991はC管固定だったようです。

@983Long(初期/赤ベル・赤バルブケース95oベル
A983Long(黄ベル・黄バルブケース95oベル)
 及び991(海外流通品)(黄ベル・黄バルブケース95oベル)
B9840E.タールモデル/カーブベル仕様101oベル)
C9910(1981年発売。私の1997年最終モデルは、唾抜きのゴムがコルクに変わっていました。101oベル)

ストレートタイプを構えてみると、両手にベルが遮られてしまい、演奏者からはベルが見えなくなってしまいます。そこで、9840はカーブベル、991はアップベルにすることにより、演奏者からベルが見えるようにしています。


参考:ヤマハオールドカスタム983Long
*A管ベル延長管セット


参考:ヤマハオールドカスタム991


参考:シルキーP6−4
(P6がストレート3本ピストンタイプ)

ヤマハプロモデル(海外流通品)
6445S+ヤマハ11B4-ST
 ヤマハの海外流通品で、B♭/C切り替えタイプです。B♭管時を考慮してマウスパイプが長くLSボアになっておりますので、B♭管との持ち替えが非常に楽です。
 国内番9445L に相当するかと思います。
 1998年にベートーベン交響曲チクルス
  1日目 1番・2番・3番
  2日目 レオノーレ(ソロも)・4番・5番
  3日目 エグモント・6番・7番
  4日目 8番・9番
を致しましたが、あれこれ楽器を持ち替えているうちに面倒くさくなりこのC管1本で全11曲を通しました。今の8445UUとは別物です。小回りよりも、ストレートに飛ばすのに良い楽器ですね。

ヤマハプロモデル(海外流通品)
6445S(H管)+バック1ハーフC
 先の6445SのB♭管セットをH管セットに改造したものです。
 F/G管と同じように、シャープ系の曲、特にEキーの指使いが嘘のように簡単になります。音色は当然独特な明るさと深みを持っています。これまた、絶対音感のある方には苦痛な楽器ですね。
 W.ヴァッキャーノはC♯管を常用していたらしいのです。要はB♭管とC管のどちらがその人にとって基となっているかだと思うのですが、こういったキーの楽器は単に指使い対策だけではなく、オーケストラの中で他のどんな楽器とも倍音が混じらない、言い換えれば「浮き立つ」音色になる事もヴァッキャーノは大切にしたんでしょうね。ただし、最低音より低い音が有ったときには、隣に吹かせたそうで、巨匠だからこそこの技も許されたんでしょう。


青柳さん、お世話になりました。

亀山さん、工房ご開店おめでとうございます。

シュミット165
 私にとっては魔法のマウスピースです。
これ1本でロータリーTP・ピストンTP・フリューゲルまでいけてしまいます。
 当然ロータリー用のMPですから、カップも深めでバックボアが急激に拡がっていますので、ピストンTPに使うときにはチューニングスライドの使い方がミソになります。
 リムが独特なんですね。リム頂点がリムバイトぎりぎりの位置ですので、バック2Cぐらいのカップでも7Cぐらいにしか感じません。しかも、クッションリムの様にリムが外側に落ちていますので、ズバリ!バテにくくなります。ボディも内側のラインに沿って余分な肉は削ってありますので、普通のよりも軽めです。
 皆さんもお試しになられては如何でしょうか?

シュミット165C-FL(特注品)
 魔法のマウスピース第2弾です。
マーラーの3番フリューゲルソロ持ち替え用に、小野雅紀さんを通じてシュミットにあつらえてもらいました。
 今度さらにG管トランペット(ヤマハ914)用のアダプターもあつらえてもらい、「ツァラトゥストラ」のCとHの伸ばしに使いました。結果、練習本番通じて打率10割で思い通りの音色が出せました。小野さん、本当にありがとうございました。

シュミット165と165C-FL
アダプター(特注品)


アントン・ヒュラー(長管F管)
+シュミット165
 この楽器につきましては、パイパース223号90ページ小野さんの記事(現代トランペット開発前史)をご覧下さい。
 マーラーの交響曲を第1番から順に演奏してゆくと、第3番(1896年作曲1902年初演)の1楽章からinB♭の表記がinFとともに混在し始めます。ちょうどオーケストラでのトランペットの世代交代が行われ出した時期です。
 マーラーの譜面をみて行くと、「ベルをあげろ」「ベルをふさいで」「弱音器を使って」「出来れば小さなコルネットを用いて」「フリューゲルホーンを用いてポストホルンのように」等々音色に関しての様々な要求が書かれています。

 「inB♭を短管B♭管、inFを長管F管を用いて」と読むと、恐ろしいほどの持ち替えを要求されることになります。
 この点を上記の小野さんにお尋ねしたところ、「inB♭は力強く、inFはエレガントに」と読めば良いとのことでした。それぞれの楽器が持つ音色をイメージして、現在の楽器で演奏する為に長管F管の音色を知る必要が出て来た訳です。
 音色を文章で表現することは出来ませんが(E.タールがフンメルの協奏曲を演奏したレコードで音色を聴くことができます。)、この楽器はトランペットを演奏するために必要な基本的なことを、一から教えてくれます。ナチュラルトランペットまで戻る必要は無いとは思いますが、吹けば吹くほど、トランペットの発達と奏法の発達とは切り離せ無いと言う思いが増してきます。
 2003年5月から11月にかけて、マーラーの交響曲全11曲をまとめて演奏する機会が訪れ、マーラーが思ったトランペットの音色に対するイメージを大切にし全11曲を演奏致しました。

マーラー/交響曲チクルス
   第1日 2003年5月18日/1番・大地の歌
   第2日       6月29日/2番
   第3日       8月 3日/3番
   第4日         24日/4番・5番
   第5日         31日/6番
   第6日       9月15日/7番
   第7日      10月 5日/9番・10番
   第8日      11月24日/8番


演奏会で使用した楽器+マウスピース

上/ヤマハ初代カスタム914(F管)
  +ヤマハ11C4(フリューゲルシャンク)
下/バックS180ML
  +ヤマハ11C4(トランペットシャンク)