カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第74回

清ちゃんのつぶやき(その61)チューブラータイヤ



 最近はロードレーサーでチューブラータイヤ(以下、チューブラー)を使う事も少なくなった。先日、会社の先輩からもらったという自転車が持ち込まれた。細いタイヤは初めてという話から、パンクした時はどうしたらいいかという話になった。これはチューブラータイヤだからという事を言うと、チューブラータイヤ?何それ?という感じである。今ではチューブラーを使った事のないサイクリストがほとんどではなかろうか?



 チューブラーは取り付け、取り外しが面倒である。リムセメントと呼ばれる接着剤でリムに貼り付ける。初心者に気軽にすすめられるようなものではなかった。これを現在の形にもってきたのがミシュランである。ミシュランがレースにも使えるWOを研究、開発していったおかげで、格段に進歩した。今はWO全盛である。自分でも現在乗っている自転車にはWOを使用している。たしかに、乗るたびに空気をいれなくてすむし、取扱も簡単、便利になった。



 乗り心地も悪くない。コーナーリングやダッシュ時にも安心して使える。チューブラーと比べ、性能的には何の遜色もない。しかし、時々、昔の乗り心地をふっと想い出す時がある。上り途中でのダッシュである。今はレースに参加するようなこともないのだが、一人で上っている時に遊び半分で試みる事もある。体力がおちているのは重々承知しているのだが、加速感というか、伸びがチューブラーとは違う。



 かってはチューブラーの種類も多く、本番専用、練習用と豊富にあった。リムセメントも速乾性のもの、遅乾性のものとありいろいろ選ぶことができた。レース数日前、タイヤを貼るのだが、チームだとトラックレーサーとロードレーサー、それぞれのスペアホィールも含めると相当数になる。そのため、各種のリムセメントと市販のボンドと組み合わせた工夫をしていた。



 そこそこロードレーサーに乗り慣れた人、もし予算に余裕があるのなら、チューブラーを履いたスペアホィールを作ってみれば面白いかもしれない。WOとはひと味違う乗り心地を体感することができる。チューブラーは過去の遺物だと思っている人には新しい発見になるかもしれない。

第75回へ続く...

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