このシリーズのカット写真の中を見て、あれも持ってたんだとか、まだ出してないものがあるだろうと、昔っからの友人・知人からメールをもらう。これまでの写真はほんの一部であり、順次出していくつもりであるが、まだまだ押し入れの奥に眠っているものが出てこない。今回、シューズ箱に入れていたカンパニョロのディレーラーが少し出てきた。 |
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鉄レコードやスポーツ、ヌーボレコードやスーパーレコード等がそれぞれ数個ずつ入っていた。久々に眺めているとすごいなぁと感じる。これらが現在のディレーラーの基礎となっているのである。ジュラエースにしてもスラムにしても、パンタグラフ式のディレーラーである。当のカンパニョロでさえ未だに脱却していない。この方式、今から50年も前のものである。 |
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今回紹介するのはグランスポーツである。あれ、スポーツじゃないの?と思われる方もおられるかもしれない。確かにパンタグラフ方式はシングルプーリーのスポーツに採用されている。ただ、プーリーが2個になった現代の形の基本になるのはグランスポーツからである。本体そのものはスポーツとほぼ同じである。 |
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一年程前にカンパのディレーラーを分解したり、メッキを剥がしたりして、その苦労が解ったと書いたが、このディレーラー、溶接だらけである。鉄の鍛造であるが、複雑な形状を出すのが難しかったのか。後から細かい部分は溶接してある。半分手作りみたいなものである。パンタグラフのかしめのピンにしても、抜いてみると分かるが、一本一本微妙に違う。穴やピンにも製造上のばらつきがある。その穴用に一番合うような大きさのピンを選んで使ってある。ペアリング式のプーリーにも苦労の跡が残る。 |
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裏には14Tから26Tまでとフリー歯数の指定が刻印されている。現在のディレーラーとは全く違う。今では信じられないだろうが、この頃のロードレーサーなんて、フロントが51×47T、リヤが14Tから21Tまでの5段変速だったのである。その後、ヌーボーレコードの頃になって、フロント52×42T、リヤが13T−23Tくらいの6段になっていくのである。 |
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眺めているとレース形態の変化や技術の進歩を感じざるを得ない。今、安心して変速ができるのも、このような先人達の苦労、努力の結果という事も感じる。 |