カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第320回

清ちゃんのつぶやき(その263)豚汁



 だんだんと本格的な冬になってきている。11月は、熊本は天候不順で曇りや雨の日が多かった。一雨ごとに寒くなってきているような気がする。特にバイクで通勤しているせいか走っていると気温差が肌で判る。自転車だと寒くても、走っているうちに体が温まってくるので感じる事ができない時があるが、バイクで走っていると通勤途中でも寒い所とそうでない所を感じる事ができる。温暖な所に集落ができる、集落ができると周囲に囲いができる形になり、更に温暖になる。海側は内陸部に比べ温暖な気候である。そんな所に人は住むようになるんだなぁと通勤時に感じとれる。



 さて、この寒い時期、自転車で走っていての食事、皆さん、何を食べておられるだろうか?もちろん体が冷え切っているので暖かいものには間違いないだろうが、私の場合、豚汁をやっている所を捜す。別に暖かいものがあればいいのだが、何故か豚汁を求めてしまう。ラーメンでもいいじゃないのと云う人もいるが、ラーメンの栄養なんて限られる。サイクリング途中の食事はそれなりの栄養やカロリーのあるものの方がいい。そんな考えである。



 豚汁、地域によって、「とんじる」と言ったり、「ぶたじる」と呼んだりする。関東と関西で呼び名が違うと云ったものではなさそうである。関西と関東、味が違い、東京に住んでいた頃は九州から持ち帰った味噌・醤油を使っていたのを思い出す。特に和食と中華は違っていた。ただ、豚汁にはそれがなく、ほとんど同じだった。かっては大衆食堂というのが各地にあり、比較的簡単に食する事ができたのだが、今の時代、そういった所を捜すのにも苦労する。コンビニで湯を入れるだけのインスタントでもいいんじゃない?と云った声も聞こえるが、それではいけない。



 個人的にコンビニの弁当やファミレスというのはどうも好きになれない。急いでいる時はともかくとして、せっかく自転車で出かけるのであれば、その地元で食したい。確かに人が触れない衛生的な工場で管理・生産されるのかもしれないが、やはり人の手や火を使った食事の方が美味しい。おにぎり一つ、工場で機械的に作られるものより、形は悪くとも人の手で握ったものの方がいい。



 そういえば、豚汁で今も思い出すのが、三島(だったと思う)にあった店。自転車のレース等で修善寺のCSCに行く事が多く、移動審判時には自分のバイクで行く事も多かった。沼津のインターを降りてしばらく行くと道路脇に早朝からやっている店があった。伊豆半島なので釣客相手の店なのだろうが(実際、レース帰りには閉まっている)、おにぎりと豚汁があった。数種のおにぎりと大きな鍋に入った豚汁、豆腐などはぶつ切りなのだが、これが抜群に美味かった。



 最初は単独の私一人だったのだが、我々のチームも寄り始めた。その内に他のチームカーも停まるようになって、道端は釣客のクルマと自転車関係のクルマがずらっと並ぶようになってしまった。今、まだあの店はあるのだろうか?なんだかとっても懐かしい。もう一度味わってみたい豚汁である。



第321回へ続く...

目次

清ちゃんへのお便りをお待ちいたしております。