長かった梅雨が明けようとする頃、バイク屋から初回点検の案内ハガキが届いた。その一か月前、2台のバイク(ZZR400&シグナスR125)を処分し、125ccの新しいバイクを購入していた。納車日だけは晴れていたが、その後、ずっと休みの度に雨、最初にガソリン入れを兼ねて少し走っただけである。100キロ未満の走行で一カ月点検はもったいないし、点検にならない。そこで馴らしを兼ねて梅雨明けのくそ暑い日に走りに出かけた。 |
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当初、やまなみハイウェイで久住の温泉までと考えていたが、57号線や内牧と大観望の道路が先の大雨で土砂崩れしていて通行止めである。つまり皆、ミルクロードを使う事になる。多分、平日と言えど混雑しているだろうと思い、高千穂方面に出かけることにした。このところ日向往還で通る矢部を抜け馬見原に至る。新車のエンジンの臭いも久しぶりである。これまで125ccはずっとスクーターを乗り継いできた。スクーターの場合、エンジンは後方下側に付いているので走行中はエンジンやエキパイの焼ける臭いはあまり感じない。 |
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今回、スポーツバイク風(?)なのでエンジンは前方下側、しばらく走ると臭いは消えていくので、最初しか楽しめない。そういえば、二―グリップも久しぶりである。安心感がある。ポジションはロードバイクなのだが、昔乗っていたDTみたいなオフロードバイクみたいなポジションで飛ばそうと云う気にはならない。チェンジペダルだってリターン式なのだが、ロータリー式みたいにかかとでも操作できるようになっている(笑)。4万キロ乗ったスクーターを手放したのには訳がある。通勤に海辺の道を通るのだが、アップダウンのコーナーが多い。スクーターだとコーナーの立ち上がりで思うような加速ができず精神的なストレスを感じていた。 |
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さて、馬見原を過ぎ、高千穂までやってきた。ところが、まだ午前11時半、あんまりお腹も空いていない。道の駅の売店で買ったおにぎり2個とお茶で軽く食事をしていた時、足元に近寄ってきた猫がそっと囁いた。「今からなら都農神社まで行ける・・・」、そうか、そうと決めたら、後は延岡まで一気に下るだけである。相変わらず雄大な景色が広がる。まだ馴らし運転中なのでそこそこに走る。延岡からは10号線だが、急に混む。平日だが夏休み、海水浴場も沿線にある。また、土砂を積んだトラックも多く、のろのろ運転状態である。目的の都農神社までは意外と遠かった。 |
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宮崎県児湯郡都農町、旧10号線沿いにある神社である。ここには私のある意味、旅の思い出がある。そう、昔、初めての野宿がここ都農神社だった。本当にかすかな記憶しか残っていないのだが、人生初の野宿の地である事だけは事実である。鬱蒼とした木々があり、宮崎県、日向国の一之宮である。勿論、当時はそんな事も知らなかった。中学3年(!よく親も許したものだ!)の夏休み、自転車で一人、九州を回った。佐世保から熊本、そして鹿児島の枕崎から宮崎まで走り、ここで泊まった。熊本や鹿児島では親戚や知人の家に泊まっていた。 |
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記憶では神社横に小さな食堂(うどん屋?)があり(多分、写真に写っている所か近くだと思う)、お爺さんと小学生くらいの男の子がいた。そこで一応聞いて、軒下を借りた記憶がある。ただ、少し思ったのが、どうやって寝たのかである。寝袋やテントを買ったのはキャンピング車を購入してからで、その時は、今考えると鉄の塊のような8段変速のスポーツ車だった。毛布でも持っていってたのだろうか?思い出せない。それに自分自身、初めての野宿でどんな気持ちで眠りについたのだろうか?不安もあったのだろうと思うが、それも定かではない。もうずいぶん前の夏の記憶である。きっと今日みたいに暑い日差しが照りつけていたのだろう。 |
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神社には丁重に参拝してきた。本日の走行距離350km、125ccバイクでは少々きつかった。 |