前々回、チェン長さに関して書いた。今回はそれの続きみたいなものである。次期デュラエースがカンパと同じく11段になる。9段が10段になり、10段が11段になる、そうすれば走りが楽になるかと云うと・・・否である。坂道が楽に登れるようになるのか、トップスピードが伸びるかと云えばそうではない。確かに走っていると、どうしても欲しい歯数がある。段数が少ない時の話である。6段で13Tから21T時代には上と下、それぞれもう一枚欲しいよね等と話していた。16Tと18Tの間に17Tが欲しいよね等とも話していた。そのうちに7段になり、8段になり、だんだんそれらは補われてきた。 |
|
|
話を元に戻し、時代が変わり、段数が増えていったとしても、坂道が楽に走れるかと云うとそうではない。要はロー側の歯数の問題である。11段にしたってローの歯数が同じなら何も変わりやしない。ロードレース時には間が欲しいと思う時もあった。ただ、ある意味、それは極、限られた人達の場合で、ほとんどは一般ユーザーである。デュラエースと云うレースを目的としたものならともかくとして、その下グレードのアルテグラや105であれば、段数を増やす事よりもスプロケットの歯数組み合わせを見直して、種類を増やしてくれた方が、一般ユーザーには親切ではないかと思う。その点、シマノ、スラム、そして自転車メーカーの方々、ちょっと考えてもらいたい。 |
|
|
少し考えれば分かることだが、初心者向け自転車に11Tトップの歯数が必要なのだろうか?世の中、7段や8段の自転車でトップ11Tや12Tなんて要らないと思うのだが、実際に使われている。それに合わせてフロントを44Tにしたりしていると答えが返ってきそうだが、本当にそうなのか?以前、耐久性の話にトランスミッションのコンパクト化の話を書いた。もし同じギヤレシオ(ギヤ比)であれば歯数が大きい方が軽く踏めるし、耐久性も上がる。 |
|
|
えっ!と思われる人もいるかもしれないが、事実、そうなのである。計算しやすいように例をあげると、フロント44Txリヤ11Tがあるとする。ギヤレシオは4.0である。同じく48x12Tの組み合わせがあるとする。これも同じ4.0になる。ところが踏み始めると判るが48x12Tの方が軽く踏める。52x13の方がもっと軽く踏める。これは乗り込んでいる人には理解できると思う、体感できているはずである。 |
|
|
なぜなのか?それはリヤが大きいからである。坂道を登る時、大きい歯にする。何故かと言えば軽く踏めるからである。なぜ軽く踏めるかというとチェンがハブ軸中心から離れていくからである。要は“てこの原理”でハブ軸中心から離れていけばいく程、軽く踏める。耐久性の方も大きな歯ほどチェンの巻取り量が増えて一つの歯への負担が軽減していく。軽量化もいいけれど数十グラム軽くしたって体感できない。それより少し重たいが、大きい歯数にした方が体感できると思う。 |
|
|
そもそもシマノがフリーハブと銘打って商品を出したのは、歯数交換が面倒なフリーホィルと違って、自由に好きな歯を簡単に組み合わせる事ができるからという理由であった。初期のフリーハブ時には、自分でも通勤用小径車で5段だったが、13・13・15・15・17Tとよく使って減りやすい歯を2枚ずつ使い、実質3段変速みたいな使い方をしていた(笑)、そんな事が可能だった。変速性能向上のため歯先形状が工夫された、結果、好きな(好みの)歯数組み合わせができなくなった。実際はばらばらに組み合わせても変速はするものの、ロー側3枚が一体となるとかの弊害も出てきた。そろそろ、何か原点に戻るような事を考えられないものだろうか? |