清ちゃんの オーバーホール日記 |
少し前にミカシマの新製品、プラットフォーム型のペダルを紹介したが、今回はその本家本元、リオタードのペダルである。パッケージを見ても分かる通り、プラットフォームとは一言も書いていない。ただ、型番の23と記載されているだけである。リオタードは他にもラットトラップ型や妙なクイル型のペダルも作っていたが、ほとんどが460とか240とか15Bとかの番号で呼ばれていた。ちなみにMBとあるのは選手の名前、マルセル・ベルセの頭文字である。 | |
パッケージ横には“レースのためのスペシャルペダル”とある。そう、そもそもはレース用だったのである。アワーレコードの記録を作った選手の名を記してあるのも納得できる。実物を見ると分かるが、足がクランクに近づくように設計されている。つまり、Qファクターを狭めるような工夫がされている。それにシュープレート(ん?今は死語かな?)を使えるように板を曲げてある。それにしても今見ると浅いよなぁ・・・。 | |
ついでに先のミカシマペダル、これまでクイル型を使っていたためか、Qファクターが広いと感じる。ついつい、内側に足が自然と動いていく。内側に行くとストッパーのための出っ張りがある。春需が終わったらこの部分を削ってしまおうかと考えている。そうそう、ついでに言っておくと、クリップとストラップは前のものから移植した。クリップはアルミ製、これを使うとペダルが水平になってしまう。大きな蹴返しがあるにも関わらず反転させにくい。これまでスタート時、足元を見る事もなかったが、慣れていないせいか足元ばかり見ながらスタートしている。ここも早急に鉄のクリップと交換するつもりでいる。 | |
ミカシマ |
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ペダルそのものを見ていると実に造りが単純である。鉄板とアルミ板の組み合わせ。一度カンパを使い始めるとその幼稚さには見向きもしなくなった。回転部のスムーズさ、転倒してもガタ一つこないその造りに心酔した。今になって言うが、リオタードのアルミラットトラップペダルを昔、一時期、ツーリング車に使っていた事がある。ところがそのカシメ強度の弱さ、ちょっとぶつけただけでプレートが片側外れてしまった。本体のバレル部分も手で回るようになった。結局、すぐに元の鉄のラットトラップに戻してしまった。まあ、カンパと比べて当時でも価格差は4倍以上あったのだから仕方がないと言えばそれまでなのだが、リオタードの印象はあまり自分にとってはよくなかった。 | |
ミカシマとの比較 |
ミカシマの出っ張り |
設計そのものがかなり古く、他のフランスメーカー(サンプレックスやマファック、マイヨール等)が高級品を発表していく70年、80年代にも、リオタードは高級品を出す事もなくいつの間にか会社の名前を耳にしなくなって消えていった。消えた理由は知らないが、資金があり、優秀な技術者でも育てていれば、今頃は画期的なビンディングペダルでも出していたかもしれない。そういえばルックもフランスだったよなぁ・・・。 |