春需の真っ最中である。新中学生や新高校生が次々とやって来る。とにかく、入学式までは休んでなんかいられない。これに徐々に大学生が加わってきている。そして暖かくなってくると通勤やレジャーとして乗ってみようかと思う社会人が増えてくる。学生達で忙しいのにスポーツ車初心者が更に加わってくるのである。通学用を含めて一応に聞かれるのが「価格の高いものとそうでないものでは何が違うの?」という事である。 |
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これを御覧になっている人達は身近の人にどう説明されるのだろうか?スポーツ車であれば「コンポの違いよ」とか「フレームの材質の差よ」とか答えられるかもしれない。ただ、相手は初心者である。コンポとか言っても、何それ?といった具合になる。会社の同僚や先輩から「へぇ、お前、40万円の自転車持ってんだ、何が違うんだい?」とか聞かれた事も多いと思う。要はそんな人達に分かりやすく、どう説明をするかである。簡単そうに思えて意外と難しいものである。我々の場合、その説明が商売に直結するので重要になってくる。 |
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購入する自転車の種類や購入層によって説明も変わってくるが、多くの場合、“品質の違い“と言うと納得される事が多い。品質の定義というと難しい面もあるが、材質、精度、仕上げの総合的な事と言える。フレームからパーツに至るまでの自転車の総合的なものである。これらが価格差に結びついていく。安い自転車だからといってブレーキが効かないとか、変速しないとかいった事はない。走る、止まる、曲がるといった基本性能は確保されている。ただ品質が違う。 |
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一般車の場合だとハンドルやシートポストが鉄のところにステンレスが使われていたり、タイヤが耐磨耗性のものが使われていたりする。一般車の場合は求められるものが故障しにくさとか耐久性、錆びに強いとかの点である。スポーツ車と違って数グラム軽くとかは要求されないし、一般の場合は頻繁にメンテナンスするわけでもない。 |
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特に都会と違って田舎の場合、公共交通が整備されているとは言い難い。中学生でも片道10kmの距離を自転車通学というのも珍しい事ではない。途中、田畑でしばらくは人家も店もないといった所もある。そんな所で自転車のトラブルが起こったら大変である。そういった意味では少々高価でも品質のいい通学用の自転車が売れる。 |
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スポーツ車の場合も同じようなものである。確かに1万円台のMTBルック車でもツーリングはできるし、やっている人もいる。これまでもそんな人達をたくさん見てきたが、途中、人家もない山道でスポークが折れたりとか、粗悪チェンで伸びが激しく、それが外れて後車輪に巻き込みディレーラーが根元から曲がったりと少し価格の高いものに比べると余計なトラブルも増える。最初に少々価格が高くとも目的に合った品質のいいものを選んでおいた方が後々安上がりになる。 |
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品質がいい、悪いというというのは、それを求める人によって違う。また、いくら品質のいいものと云ってもきちんとメンテナンスされていなければ何にもならない事も頭に入れて自転車選びをしてほしいと思っている。もし、分からない事があれば遠慮なくショップに聞いてみる事である。よほどの悪徳ショップ(笑)でない限り答えてもらえると思う。もうすぐ新しい年度が始まる。数年経って、良かったと思える自転車選びをしてほしい。 |