カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第280回

清ちゃんのつぶやき(その228)補給食



 この数日、やっと春を感じさせる陽気になってきた。三寒四温を繰り返しながら春に近づいていくのだろう。冬眠していたサイクリストも首をもたげ始めてきた。ところが冬眠していなかった人達もいる。先々週、長崎の方でブルベがあった。300kmコースの方には当店のお客さんが2名参加。一人は昨年紹介したHさんで、もう一人はブルベ初チャレンジのTさんである。昼間は快適な走行ができたが、夜になって冷え込みが厳しくなり、朝方の寒さは異常だった等と帰ってから数日後に話されていた。あまりの寒さのため完走率が低かったそうだ。



 ブルベの話を聞いたり、関連のブログ等を見ていると人それぞれに用品や装備、それに走り方や休憩の仕方等を工夫しているのが分かる。長い距離をいかに疲れず、早く走りきるのか、そのためにはどんな装備や走行をすればいいのかを述べてある。長い距離を走ってみれば、ああ走ればよかったとか、こんな装備をしておけばよかったとかの反省点が必ずでてくる。人によって体力や体質などが違うので一概には言えないが、これらは一般サイクリストにも参考になると思う。



 例えば今回の300kmと云う距離、ロードレースであればヨーロッパのプロだと大体8時間弱の行程である。これはコースをクローズして、走りだけに徹した場合でもある。鍛え上げられた身体とサポート体制の下での条件がつく。これに対してブルベはレースではなく、制限時間内でゴールすればいいというようなものである。普通のツーリングのように時間をあまり気にしなくてすむのならいいのだが、ブルベのように制限時間があるような、ある意味、タイムレースだと問題になるのが休憩と食事だと思う。休まずに食べながら走るだけだと時間短縮にはなる。



 人によっていろいろあるだろうが、ゼリー等のサプリ、おにぎり等を持って走る。今はコンビニがあるので食物そのものを得るには問題はないと思えるが、10時間を超えるような場合にはそれだけではいけない。休憩をとり、体調を整え、きちんとした栄養補給をしなければ走り続けることはできない。ただ、走りながら食べるものはあくまでも補給食である。ヨーロッパのレースではツールなどで250kmを超える距離を走る場合がある。補給食ではその間、一度は腹にたまるものを用意してある。



 普通のレースでもパイなど少し腹にたまるものを用意しているが、長時間の時にはサンドイッチなど(コンビニのサンドイッチとは内容やボリュームが違う)をサコッシュに入れてある。短い距離であればゼリーやバナナ、パイなどでもよいが、それだけでは距離があるともたない。やはり途中で何度か腹もちするものを食べておいた方がもつ。これは誰しも経験があるのではないだろうか?



 ちょこちょこと補給食を食べていても途中で何か定食やカツ丼を食べたいとか思うのではなかろうか。でも食べると時間を喰うし・・・とか思っていると徐々に速度も落ちてくる。そんな事を考え始めたら小休止して食べた方がいい。食べたら背伸びして、その後の走りに徹する。その方が効率もあがる。自分自身の何度かの長距離走行から得た経験でも言える。補給食はあくまでも本食を補うためのものであり、ゼリーをたくさん食べたからといって長く走れるものではない。次のブルベは5月、気温的にはいい結果が出るかもしれない。



第281回へ続く...

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