カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第276回

清ちゃんのつぶやき(その224)運



 先日、数年前に買った本を読んでいた。トレーニングに関する本だが、その中でレース前の食事等について詳しく書いてあった。1週間前にはどんなものを、2,3日前にはどうだ、当日はどんなふうにという按配である。また、普段の食生活についても注意点を書いてあった。だが、まてよ、排出に関しては何一つ触れていない。どうもこの手の本や指南書には汚いというイメージがあるためか、その点の事は一言も書いていない場合が多いようである。今回はまじめなウンコの話です。タイトルを見て勘違いされた方、すみません。



 健康診断でも一番最初にやらねばならない事は大小の便の提出である。要はそれを調べることによって、その人の健康状態が把握できるのである。排出する行為や排出物が如何に大切なことか医者でなくとも、この点は自覚しておいてほしい。エンジンでも燃料や吸気系をいくらいじっても性能は向上しない。やはり排気系もきちんとしなければ本来の性能は発揮しない。人間も同じだと思う。出すものを出さなければ、いくら栄養のあるいい食物を食べても、それを栄養にして残りを出さなければ何にもならない。



 出すんだったらいつでも出してるよという健康な人はいいのだが、そうでない人も少なくない。これまで実業団やホビーレースの選手を何十人(何百人?)も見てきた。選手によってはナーバスな者もいる。普段へらへらして能天気と思っていた選手が意外と神経質な面を持っている場合もあった。レース2,3日前から便意がないとか、当日朝、普段だったら出るものが出ないと悩んでいたりする。便意はその人の身体的な問題もあるかもしれないが、結構、精神的な部分も多い。休日などでリラックスしている時には普段の倍くらい出るという人も多いのではないかと思う。 



 レース前であればとにかくリラックスさせる事である。前夜に作戦会議をしてもいいが、当日朝は冗談を言い合ったりして精神的な余裕を少しでも持たせる。細かい作戦の話は朝食後、排便を済ませた後で構わない。他のチームだったが、ある選手は下剤を持ち歩いていると本人から聞いたことがある。全日本クラスの選手だが、レース前になると数日出なくなることがあるという事だった。ただし、呑むのは1錠、本来の便秘では3錠服用だが、この1錠で気持ちのいいレースを迎えられるとの話だった。これなどは錠剤のおかげではなく、呑んだことによるリラックス効果だと思われる。 



 そうそう、レース会場では早めに到着していればいいのだが、トイレの前に並ばなければいけない時も多い。仮設トイレがあってもあまり変わらない場合も多々ある。まず時間に余裕をもって出発しておく事、前泊なら旅館やホテルで出発前に、当日参加ならSAPA、道の駅やコンビニで会場到着前に済ませておくことを心がけていればよい。ぎりぎりに到着してアップだけして本番というのではいい成績は望めない。走っている最中に便意をもよおし、レースに集中できない事もある。



 そろそろいろんなレースが始まってくる。監督やコーチ、選手の体調管理にも気を使うことだろうと思う。選手にはレースに全力を集中させるよう、たくさん食べさせて、たくさん出させるような心づかいも必要になってくる。ツーリングにしても然り、昔から、いい旅は「快食・快眠・快便」を心がける事と言われている。旅を楽しむためにも、普段の生活にも欠かせない条件である。



第277回へ続く...

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