カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第273回

清ちゃんのつぶやき(その222)かき街道



 新年早々、タイトルを見て、また街道の話かよ!と思われた方、すみません。今回は旧街道の話ではなく、現代の街道話です。遅ればせながら、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。


フェリー
 さてさて、暮れも押し迫った頃、島原半島に渡った。熊本港から帰省客や行楽客に交って乗り込む。フェリーではカモメの乱舞、いやあ旅している気分になるなぁ。島原外港に到着して北上。これからかき(牡蠣)街道を走ろうと云うわけである。かき街道とは有明海の西、主に207号線沿いを呼ぶ。昔から太良蟹として有名な佐賀県太良町から南、長崎県小長井を走る国道沿いに、かき焼き小屋が並ぶ。


カモメ
 開門する、しないでもめている諫早湾干拓道路(いわゆるギロチン)を渡っていく予定で進む。風が弱く、今日は快適に走る事ができる。海沿いは風のある日が多く、追い風なら天国だが、向かい風だと地獄を見る日もある。実はかきは11月に解禁になる。ところが11月はまだ暖かい日が多かった。やはりかきを食べるのであれば寒い時期の方が美味く感じる。ただ、この有明海産かき、先の干拓事業の影響で昔に比べると漁獲高は減っているらしく、かき焼き小屋では一部、広島や福岡産を混入してある所も多い。ただ、良心的なのはその旨を表示してある事である。



 干拓道路が見え始めた頃、かき焼きの看板がいくつかあった。そうだよなぁ、わざわざ寒いのに干拓道路を渡って行かなくともいいんだと思い、自転車を停める。昼の時間も少し過ぎているし、ここで済ませようと店に入る。入るとざるに盛られたかきがある。それを選んでレジに持って行くと小屋に案内される。1400円で20個ばかり入っている。それを自分で炭焼きの網の上に載せて焼くわけである。千枚通しと軍手を貸してくれる。少し殻が開いたら食べることができる。プリプリして美味い!



 満足して帰路につく。実はこの島原半島、意外と知られていない温泉がある。今回通った所にも一つ穴場の温泉がある。多比良港から島原に向かう所に、その名も湯江という所があり(バス停、島原鉄道の駅名も同じ)、そこに地元では大きい丸政水産という会社がある。近くには直営の海産物物産館もある。この本社ビルの裏手に国道からは見えにくいが有玉温泉というのがある。昔は案内板もあったのだが今はない。ここが鉄分を含んだ単純温泉で夏などは入るとさっぱり感を味わえる。冬も冷えたつま先や指先を暖めることができて幸せな気分になれる。


有玉温泉
 それにしても旬のものという食物が少なくなってきた。野菜や果物にしても季節に関係なく出回っているものも多い。冬でも西瓜を食べることができる時代である。でもやはり西瓜は暑い夏に汗を流しながら食べるのが最高だと思う。そんな意味では寒い時期のかきは美味く感じる。九州にも広島や宮城産に負けないくらいのかきがあります。ぜひ九州にも遊びに来てください。それでは今年もたくさん走りましょう。



第274回へ続く...

目次

清ちゃんへのお便りをお待ちいたしております。