カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第189回

清ちゃんのつぶやき(その148)チェンプロテクター



 自作したランドナーであるが、妙に走るのが楽しみになった。ロードレーサーと違って路面を気にしなくていい、それに気分的にのんびりと走れる。道路の継ぎ目や工事中のアスファルトを剥がした路面、いつもなら相当気を使う所も難なく走ることができる。雲仙に行ったことは書いたが、先日は熊本城に行ってきた。熊本に住んで15余年、考えてみれば2回しか行ったことがない。観光客のふりをして行ってみた。改めて見ても壮大な城である。石垣だけ見ても人間の手で造り上げた事に感心する。



 その後、時間もあったので小島(おしま)という所まで走る。通勤ルートで途中、いろいろ面白そうなものがありそうなのだが、なかなか立ち寄ることができないでいた。ロードレーサーだとそれなりの格好をしているので行きにくいが、ランドナーだと細かい路地まで探索できる。明治天皇が西郷隆盛らと泊まった所だの、昔っからの醤油工場だの、屋根の低い雑貨屋や金物屋の店々など、昭和の香りまでもが残っている。史跡巡りや路地裏探索にはまりそうな気配だ。 



 小島あたりをいろいろ回った後、少しお腹が減ったのでコンビニに寄る。店横のベンチに座り、立てかけた自転車を見ていたら、ゴム製のチェンプロテクターの片方が切れていた。タイヤやブレーキシュー、レバーパットなどゴム製のものは使わなくとも傷みが早い。仕方がない、どこかでその内、調達しよう等と考えながらサンドイッチを頬張った。考えてみれば今時、ゴム製のプロテクターなんて市販車で使っていない。今はステッカー方式の貼るものになってきている。少し前だと三角の線材を溶接してあったし、趣味の自転車になると予備のスポークを2,3本取り付け、それをプロテクターにしてあった事などをあれこれ思い出した。



 今の貼る方式の中でもそれが目立つように黒やシルバーのものを貼ってあったり、逆に目立たないよう透明のものを貼ってあったりする。ほとんどのスポーツ車にチェンプロテクターが付いている。そういえば、昔のロードには何もなかった事を思い出した。確かにツーリング車にはそういったものが付いていたものがあったが全部ではなかった。ツーリング車の中でも歯数差が大きいものだけに取り付けてあった。フロントシングルのものには当然付いていなかった。ロードでも52×42Tといったものではあまり暴れることもなくプロテクターなど不要だった。



 これが現在、全てといっていいほどの車種に付いているのはマウンテンバイクが流行ったせいだと思う。フロントだけで20Tのキャパシティ、リヤと合わせると30Tは優に超える。走る路面もダートだと凹凸も多い。チェンステーが傷つくのも当然である。ロードだって39Tインナーになって歯数差が増えたせいもある。普段、何気なく見逃しているような、機能や性能に関係しないこのようなものもじっと見ていると結構味わい深いものである。



第190回へ続く...

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