ドロップハンドルではバーテープが巻いてある。このバーテープ、結構面白い。先ず、巻き方。エンドから巻く人、ステム側から巻く人に分かれる。更に上部であればバーの上を通って手前側にというように、握る方向に巻くのが一般的だが、逆の人もいる。これでも巻き方によっては緩まない。バーテープの巻き方まで見ている人は少ないと思うが、ショー等で各メーカーの自転車が並んでいる時にでも眺めてみれば面白い。また、ほとんどの人は一気に巻くが、ブレーキレバー部で一旦、切ってしまう人もいる。これはコルク材等の厚めのものを巻く時、ブレーキレバー部で盛り上がるのを避けるためである。数人、このような人を知っている。 |
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ツールのポスターや写真等を見ていても、時折、おやっと思うのがある。数人の集団の中で一人だけ巻く方向が違っていたり、同じチームなのにメカニシャンが違うのか、微妙に巻き方が違う等といった事も見てとれる。数年前のポスターでアームストロングがアップになっているものがあったが、エースにはいいメカニシヤンがついてるなぁと思ったものだった。 |
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そう言えば、昨今はバーテープの種類も増えてきた。握り心地もいろいろ選べる。かつては、コットンテープが主流だった。廉価車にはビニールテープも使われていた。更にそれ以前はロンググリップである。それに比べれば今は幸せである。ものによってはグローブをはめず、素手で握った方がいいような感触のものさえある。皮みたいな感触のもの、綿みたいな感触のもの、いろいろある。 |
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個人的なことだが、バーテープを巻く作業は自転車組立の最後の儀式だと考えている。実際は巻いた後でブレーキや変速のアウター長さの微調整をするのだが、気持ち的には最後である。ちなみに、バーテープを巻くとアウターが一緒に締まる。そのために微妙にアウターが引っ張られ、ブレーキ操作やハンドルを左右に動かした場合に影響してくる。これを避けるため、バーテープを巻く前にビニールテープで一旦巻き、更にその上からバーテープを巻く人もいる。一台の自転車を組み立ててきての総仕上げである。だから、先ず手を洗う。そして、巻く作業の間は電話にも出ないようにする。そのため、日によっては閉店後に作業することもある。時間的には短い作業だが集中力を要する作業でもある。 |
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バーテープは消耗品である。価格的にもそんなに高くない。それに気分を変えるにも役立つ。自転車そのものは変わらないが、テープの色を変えただけで気分がかわる。以前、レースをやっていた頃、レース前夜には(他の部分には手をつけないが)必ず白のバーテープを巻いていた。これだけでレース当日の朝、新鮮な気持ちでスタートできる。今、持っている自転車、そろそろ巻き替えの時期ではないですか? |