前回のカンパニョーロの本、知人も購入したというメールが来た。やはり内容も見ないで購入している。どうも周囲にはこの類の人間が多い。カンパニョーロの書体を見たらつい買ってしまったということである。そう言えば自分もそうだが、イタリア国旗が飾ってあるとついふらふらっとそのレストランに入ってしまう。チャンピオンライン(アークアンシェル)の描いてある部品箱を見ると、ついいつの間にか手にしている。条件反射というか、何とも悲しい性である。 |
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さて、今、東京でのサイクルモードの最中である。先月末には大阪で開催された。これらを見てきた人達からいろんな話を聞いた。2010年モデルであるが、何か一つの転換期かもしれない。話を総合すると数年前から売れていた高価格ロードレーサーが不振というか、やっと落ち着いた傾向にある。それはそうだと思う。自転車を始めようとする素人がいきなり50万円以上もする自転車を入手したって乗りこなせない。プロやセミプロ並みの体力やテクニックがあればいいが、そうでなければ自転車に負けてしまう。やはり段階を踏んでいくのが筋である。また、そのような人達が購入し尽くしたのかもしれない。 |
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もう一つの波は素材の変化。カーボン素材もある程度、行き着くところまで行った。まだまだ開発の余地はあるのだが、10万円クラスの自転車にもカーボンフォークやらカーボンピラーが当然のように使われてきた。ところがここにきて、そのような普及品の中には締め付けると割れたりするピラー等が出てきた。これはコストダウンということでそれなりの素材を使ってあるものがあるためで、当然起こるべくして起こっている。これは製造メーカーの責任もあるが、それを採用した完成車メーカーの責任でもある。 |
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それに、先に書いた初めてのロードレーサー乗りの人達の使い方にも原因がある。力加減を知らないがために必要以上のトルクをかけ割ってしまう。本来、高価格のものはレース用機材である。ある意味、一レースさえその性能を発揮できればいいという機材である。それなりにデリケートなものでもある。これはカーボンだけでなく、アルミの軽量パーツにも言える。最近もクラックの入ったステムを見た。レースをやっている人達から見ると当たり前だが、素人からするとそうではない。何十万円もする自転車を買ったのにすぐに壊れた等とクレームの対象にしてしまう。 |
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そう言えばクイックレリーズのハブ、これだってそうである。普及用のハブが出回ってきて比較的安い自転車にも使われ始めた頃、使い方を知らない人達が走っていて車輪が外れ怪我をしたといってメーカーに訴訟を起こす。そんなことが米国でいくつかあって、すぐに車輪が外れないような方法が数種考え出された。おかげですぐに車輪が外せるというメリットがなくなってしまった。購入した自転車のフォークエンドをいちいち削らなければいけなくなった。初心者用の機材、自転車というのはそんな点も考慮して企画・設計しなければならない。 |