カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第139回

清ちゃんのつぶやき(その106)ネット商品



 6月になった。この時期、海外ブランドの車種によっては、すでに09モデルが完売、生産終了というのも出てきた。ビアンキは毎年のことだが、GTやジャイアントにも生産終了モデルが出てきた。09モデルが原材料不足や高騰の中で計画されたものなので、来年モデルを適正価格で早いところ生産しようというような方針で各メーカー、動いているのかもしれない。1ドルが100円を切っている今、うまくいけば価格も下がっていくかもしれない。



 そういえばジャイアントだが、数年前からネットでの販売を止めた。一番の理由は当然のことながら、技術や知識のない人たちが組立ててトラブルを起こし、それをメーカー責任にするような事が頻発したためである。これはジャイアントに限らず、我々も時折見る光景である。自転車を持ち込み、「右ペダルは入ったが、左ペダルがどうしても入らない」と言う。見ると左右ペダルを逆に付けている。無理やり取り付けた右クランクのねじは使い物にならない。アヘッドのステムの蓋を締め付けすぎて、ねじがバカになっていたものもある。



 この他にもパーツの持ち込みもある。赤色のチェンを持って来て取り付けてほしいと言う。ところが自転車の方は9速のフラットロード、持ち込みのチェンはトラック用である。とにかくこのような事は例をあげればいくらでもある。ある程度の知識や技術を持っていないと素人には難しい。単に安い、早いという事でネット商品に手を出すというのは危険である。返品不可というところもあり、それはそれで授業料として、一つの知識になったと諦めるしかない。



 しばらく前、インターネットで購入した自転車の防犯登録をしたいと持ち込みがあった。販売証明書、保証書、身分証明書があればできる。自転車を見ると、本人には言わないが、品質的にはひどいものである。前の鉄のギヤ板などは振れが大きく、よくこれで変速するものだ等と感心をする。自転車全体を見れば、確かに横からの写真だけだと立派に見えそうである。パソコンの画面だけ見ていれば分からないと思う。ネット商品の盲点である。 



 品質等に関しては、買った本人が基本的に満足していればそれですむ。組み付け不良が原因で本人がけがをしても、それは仕方がない。ただ、他人を巻き込むことだけはあってはならない。そのことだけは自覚すべきである。自転車屋さんによっては嫌うところもあるかもしれないが、組み立てに不安があるのなら相談してみればいい。費用はかかるが、安心できる。地元で購入した方が結果的には安くすんだという事もあるかもしれない。



 また、パーツに関しては購入の際に互換性や規格を業者に問い合わせることも必要である。ちゃんと答えを返してくれるところとそうでないところがある。後者の場合は考え直した方が賢明である。自転車屋さんが介在しない場合には自己責任ということを頭において賢い買い物をしてほしいと願っている。

第140回へ続く...

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