今回も前回からの続きになる。前回の写真を見て、チェンホィルの上に写っている青いものは何だ?とか”ペダルを軸に踏み面をもってくる”の意味がよく分からないとかの質問を受けた。 |
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シマノのこのペダル、デザインだけを見ても未だに新鮮である。この製品の後にも先にもこのような形のものはない。下面はいかにも空気をスムーズに流しますよといった形状になっている。この大胆なデザイン、使おうにもチェンホィルとセットでなければ使えなかった。それが難点であった。当時はいろいろな製品、組み合わせは自由だった。そんな時代に出たのである。 |
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ペダル軸を廃したこのペダル、使った経験のある人も少なかったと思う。使った経験から言わせてもらうと最初はちょっと違和感がある。だが、少し乗り込むと安定感がある。それはそうである。理想のペダリングができる。ペダル軸中心に踏み面をもってくる、今のペダル、ペダルの軸の上に踏み面がある。つまり、底の厚い靴でペダルを踏むようなものと考えてほしい。そうすれば感触が理解できるのではなかろうかと思う。 |
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そんなペダルだが、ペダル軸を廃した代わりにペダル取り付け部にベアリング系を持ってきている。そのため径の大きいものになってしまった。転倒とかの原因で横からの衝撃があると全てこの部分に力が集まる。はっきり言わせてもらえば、この頃のシマノのパーツ、材質や精度、あまりいいものではなかった。ジュラエースと言えどもレースで使ったりしていると壊れたりしていたし、がたもきていた。 |
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シマノが出したこのコンポネント、衝撃的ではあった。当時、対抗していたサンツアーは”マイクロライト&エアロダイナミクス”といったコンセプトでその製品を発表した。小型化することで空気抵抗を減らせますよといったもので、形状的にはギミックではなく、それまでのものを踏襲していた。こちらの方が一般には受け入れられやすかった。 |
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ビンディングペダル全盛の今、ペダルだけはシマノでないものという事も以前よりは少なくなったと思う。今であれば再度、現代の技術や材料で作ることも可能ではないかなという気もする。写真に写っていた青いもの、あれは一般のペダルを取り付けるためのアダプターである。シマノ純正ではなく、アフターパーツであるが、そのようなものを用意して出せばいいのではないか等と考える。踏んだ時に味わうあの感触、今の人達にも経験してもらいたい。 |
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春の忙しさもやっとピークを越えた。まだまだ、日々忙しいものの、スタッフ達も安堵感というか、落ち着きを取り戻しつつある。いろいろな相談にもやっと応ずることができるようになってきた。ゴールデンウイークを前の買い物にもいい時期になってきましたよ。 |