カガワの自転車
ちょっと休憩・・・
自転車には、それぞれのキャラクターというものがある。
先日のこと。
自転車での散歩の帰り道、いつものように玉名の某足湯でコーヒーを啜っていた私に、一人の男性が声を掛けてきた。
「その自転車、どこを走っても速いんでしょ?」
・・・にこやかに話し掛けてきたその男性には申し訳なかったが、それは違う、といった旨の返事をした。
私はジャイアントのACと言うバイクに乗っている。最寄りのカガワの自転車でジャイアントのカタログを見ていただければ解ると思うが、MTBである。
それもゴッツイ感じの。
ロングストロークのダブルサスフレーム、26×2.5の極太プロックタイヤ、子供からお年寄りまで誰が見てもMTBと分かるその風貌。
確かに一見派手で、「速そう」に見えるかも知れない。しかし、上記の様な特徴はオフロードの下り道を走破するためのものであり、逆に、舗装路を速く走るためには邪魔なものなのだ。
それがACというバイクのキャラクター。
こんなバイクで舗装路を走った日にゃクロスバイクはおろか、ママチャリにさえも勝てる気がしない(私の脚力の問題も有るが)、つまり舗装路では遅いのである。
ではこのキャラクター、変える事ができないかというとそうではない。ある程度なら変化させることができる。
例えばACで、舗装路をもうちょっと速く快適に走りたいと思うのなら、まずタイヤである。タイヤの空気圧を上げてみてもいいし、細いスリックタイヤに変えてもいいと思う。
そしてセッティング、パーツ交換等、採れる手段は多岐にわたる。
だが、それらの殆どは根本的な解決にならない。
MTBはオフロードを走る前提で設計されているため、オンロードに対してどんな手段を採っても「ある程度」の変化は有るが、「少しでも速く」という追求になると、性能面でロードバイクを越すことは・・・かなり難しい。子供相手に本気を出せばもしかしたら勝てるかも知れないが、負けたときのリスク(主に精神面での)を考えると、とてもそんなチャレンジはできない。余裕のある大人のフリをして、早く過ぎ去ってほしいと願うばかりである。
もし今から自転車を始めようと思っているのなら、まずその用途・目的を明確にすることで必要とするキャラクターが判り、バイク選びの失敗が少なくなるということを覚えておいて損はない。同様に、見た目重視で選ぶと失敗の可能性が高くなる傾向があるようだ。また、いきなりトラックレーサーやダウンヒルバイクの購入も、あまりお勧めできない。構造が特殊で有効な使用方法が限られているので、日常に使うには慣れと覚悟と忍耐力が必要だと思われる。
↑・・・ま、全て私がやらかした失敗だが。
せっかく手に入れた相棒と、忍耐なしでは付き合えないような、そんな悲しい関係だけは築きたくないものである。