カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第94回

清ちゃんのつぶやき(その78)09モデル



 デュラエースのモデルチェンジ、カンパニョロの11段、新製品が発表される。完成車メーカーでも8月号の雑誌に09モデルが載っている。ところが、消費者の立場にたって見てみるとなんだか変である。まだ7月なのである。自転車に乗ってみようかと思った人が購入するためにいろいろ検索し、自分なりに調べて自転車店に行ってみる。そうすると「もう、ありません」との返事。この頃、そういった光景がよく見られる。



 一般の人たちから見れば、08モデルは今年いっぱいは売っていて、年末辺りから09モデルが出てくる、そう考えている人達も多い。盆休みに自転車旅行をしたいと思って自転車店に行ったら、「08モデルはすでに完売です」、そう言われても何か納得できない。たしかにそうだろうと思う。先日も「カタログに載っているものが、ないとか、すぐに来ないというのは今の時代、おかしいのではないか?」と言われた。他の業界ではこのような事は少ない。



 とあるプロショップでも、08モデルを昨年末に注文し、半年待ってやっと到着した、追加注文をしたら、すでに完売で入荷しない等とぼやいていた。要は08モデルは年に一回しか入らなかったということである。輸入元やメーカーの立場にたつと、倉庫を持たず、注文を受けて発注し、港に着いたらその場から注文先に発送するというのは理想的である。在庫を持つ必要はないし、その分の管理費を節約できる。それも理解できる。



 ガソリン高騰、環境問題やメタボ対策等で今、自転車に乗ろうとする人たちが増えてきている。ある意味、自転車業界にしてみれば追い風が吹いている。それなのにその人たちに供給する自転車がない。ママチャリで間に合わせようとする人たちばかりではない。せっかく自転車を購入するのなら、スポーツとしての自転車を楽しもうとしている人達も多い。



 これらは海外ブランドだけに限った話ではない。国内メーカーにしても、海外にその大部分を生産、生産委託したがために、すぐに供給できないような体制になってしまっている。せっかく自転車に乗りたいと思った人たちに対し、一ヶ月やら二ヶ月、更には半年などといった納期では、乗ろうとする意欲を萎えさせてしまう。もし、これを読んでおられる業界関係者がおられたら、根本的な事から考え直して頂ければと思う次第である。



 それにしてもカンパニョロの11段、シマノはその構造的な問題から、しばらく追従することはできないだろうと思う。早く触ってみたいものである。ただ、11段も要るのかな?という気もする。ただ、これまでもそうだったように、8段から9段、10段となった時にもそう考えた。はたしてシマノは12段に行き着くのだろうか?

第95回へ続く...

目次

清ちゃんへのお便りをお待ちいたしております。