よく自転車を選ぶ際、重量を気にする人がいる。持ち上げて比較したり、現物がない場合にはカタログを見たりと忙しい。結論から言えば、軽い自転車が軽く走れるとは限らないという事である。え?と思われるかもしれないが、実際、そうである。センターの出ていない車輪、芯の狂ったフレームでは軽くは走れない。軽く走るという条件の中には前と後の車輪が一直線上にあるというのがある。もちろんタイヤそのものも、軽く走る重要な要素になる。 |
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センターの出ていない車輪というのは調整で何とかできるが、フレームの狂いなんて、大きい定盤の上で測定するしかない。フレームの狂いなんてあるの?と思っているあなた、あるのです。フレーム単体で30万円もするブランドものでも、測ってみると狂っていたという話も聞く。全日本クラスの選手ならともかく、意外と乗っていると気付かないものである。 |
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このように、軽く走る要素の中にはさまざまなものがある。車輪一つでもスポークの張り方でかなり変わってくる。フレームのパイプ一本でも変わってくる。スプロケットをチタンにしても走りそのものは軽くならない。軽く走る要素はフレームと車輪、それにタイヤで決まるといってもいいかもしれない。 |
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そうは言っても、やはり重量が軽い方がいいですよね。軽いパーツに替えたり、自分でいろいろ削ってみたり、それはそれで楽しいものである。一番効果があるのは鉄をアルミやチタン等に替えることである。ただ、今、アフターパーツで売っているものの中には、ちょっとと考えるものもある。アルミ製だが、製造上、加工をやりやすくするために、柔らかめのものを使ってあり、耐久性に疑問を感じるようなものもある。 |
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あと、カタログの重量表示だが、あまり信用しない方がいい。参考程度と考えておかないとがっかりする場合が多い。経験上も、カタログ写真撮影時にはその重量だったのだが、その後、改良や変更でカタログが出た時には重量が少し増したといった事もよくあった。そのため、カタログには、どれも予告なく変更する旨、記載してある。 |
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自転車の重量、永遠の課題でもある。100年以上前から人は自転車を改良し続けてきた。軽くて強い自転車を作り続けてきた。乗り物には必ず質量が関わってくる。別の視点で見ると、強度と軽量化の融合とでも言えようか。たった数グラム軽くしただけで、ゴール前のスプリント時に部品が壊れ、負けることだってある。逆に精神的に楽になって勝つことだってある。軽量化には自己満足もあるが、強度や耐久性といったリスクも同時に発生する、そのことも頭の中に入れておかねばならない。 |