前回の話の中で、パンクした時、タイヤに藁を詰め込んで走らせた等と書いた。普段、自転車に乗っていると、さまざまなトラブルに見舞われる。皆、何度か経験したことがあると思う。そんな時、どのような事を考えるかがトラブル脱出のカギになる。 |
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自分自身、パンクやねじの緩みや折れ等は当たり前で、ツーリング中にもいろいろ経験した。昔、リヤキャリアが折れてしまった経験もある。取り付け部やねじは以前に折れた事があるので補強していた。今度はキャリアそのものが折れた。場所は四国の山の中、キャリアが泥よけを押さえてしまって、車輪が動かない。しばらく休んで考えていたら、フェンスがある。足元を見ると短い針金が無数に落ちている。これらを繋いでサドルとキャリアを結んで次の町まで行った記憶がある。 |
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今はコンビニやホームセンターが郊外にあり、ガムテープや、針金といったものが比較的、容易に入手できる。オフロードバイクに乗っていた頃はガムテープは必需品だった。結構、役に立った。いろいろな経験を積むにつれ、トラブル解消方法が身についてくるようになる。頭を柔らかくする事も重要である。 |
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お客さんと言うか、知り合いにとんでもない人がいる。乗っているのは700Cのクロスバイク。クルマの免許を持っていないので移動手段はもっぱら自転車である。とにかく遠方までよく走る人である。タイヤが減って交換に来たりする。開けて、チューブを見ると27インチの一般車のものである。話を聞くと、パンクしてチューブがだめになった時、ホームセンターで入手して、自分で取り付けたとの事である。太めのタイヤだとタイヤレバーがなくとも取り外しはできる。 |
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我々だと、つい、700Cの車輪には700Cのチューブしか付ける事ができない等と考えてしまう。ホームセンターで700Cのチューブが売っていなければ諦めてしまうかもしれない。この人、他にもVブレーキなのに一般車のシューを取り付けていたりする。応急処置だが、このまま使い続けていても何ら問題はない。邪道と呼ばれるかもしれないが、人間、ピンチの時にはとんでもない発想をするものである。 |
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互換性等にとらわれることのない、柔軟な発想、それが緊急時には役に立つ。これは自転車に乗っているときばかりではない、仕事に就いて、出張先でトラブルに見舞われた時などにも応用できる。災害にあった場合にも役に立つ。ある意味、生きるための知恵とでも言えようか? |