カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第77回

清ちゃんのつぶやき(その64)ツーリング



 このところ荷物を満載して走っているサイクリストをよく見かけるようになった。また、店に立ち寄ってくれるサイクリストも増えた。この時期、どこも忙しいのと、一見客には冷たいという自転車店があるために、修理を断られ我々の店に来るといった傾向もある。各都道府県、2,3店が連絡し合ったツーリストのための組織といったものがあればと考える。実際、各メーカーがランドナーやキャンピング車を製造してた頃、西日本にはそのようなものがあった。



 旅先でのトラブルは不安である。経験上も、行った先で快く修理や対応をしてもらえるとその店だけでなく、その町、その県の印象まで変わる。第一、自転車を好きなもの同士、困った時には助けてあげるという気持ちがあるはずである。JCAあたりが呼びかけて、ツーリスト・ユニオンみたいな組織ができないものかと思う。トラブルが起こっても、携帯で一番近くのショップを検索するといった事もできる。



 また、サイクリストの方も考えてほしい。細いタイヤで後だけに荷物を満載して走っている。もちろん自転車のバランスも悪いし後車輪に負担がかかる。タイヤも減るし、スポークも折れやすい。細めのタイヤで走りたいのなら荷物は分散した方がいい。また、荷物の量も考えるべきである。自転車を買ってすぐに長距離旅行に出かける人は少ないだろう。1、2泊の旅行を何度かやればいろんな事が見えてくる。



 旅先ではいろんなトラブルが起こる。メカトラブルや荷物、バッグ、服装や宿泊にまで及ぶ。大切なのはそこで学ぶことである。スポークが折れた、変速ができなくなった等があれば、なぜ起こったのか、どうすれば次回に向けて解決できるかを考えてみる事である。スポークが折れたのであれば荷物の量や積載の仕方、走行の仕方を考えてみるべきだし、場合によっては太目のスポークに組み替えることもありうる。



 バッグのストラップが切れたのであれば厚いストラップに交換する、キャリアの取り付けボルトが折れたのであればステンレス製のボルトに交換するといった工夫が必要になってくる。暗くなってから宿泊先を捜すといった心細い思いをしたのであれば、早めに捜しておくといった知恵もでてくる。



 いずれもトラブルは自分自身の身にふりかかってくる。せっかくの楽しい旅を台無しにしないためにはそれなりの努力は必要である。旅先でのトラブルを笑い話にできるようにしたいものである。

第78回へ続く...

目次

清ちゃんへのお便りをお待ちいたしております。