来年度モデルが少しずつ姿を現し始めている。つい、目がいくのがロードレーサーである。クロモリの頃から、ずいぶん変わってきたなと思う。今の形になったのはMTBの影響が大きい。MTBで培われた強度を増す手法、これらを取り入れて今の形になった。太いパイプやそれに伴うヘッド等の処理、更には部品も変わってきた。 |
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世の中、ヨーロピアンとアメリカンに大別できていた。ファッションなどもそうであるし、オートバイなどもそうである。BMWのヨーロピアンとハーレーのアメリカン、全く形が違っていた。自転車でもMTBが出てくるまではアメリカンと言えば、ビーチクルーザーやBMX、チョッパーといったものしかなかった。ヨーロッパのメーカーがアメリカの自転車に目を向けることはなかった。 |
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MTBが出てきた頃も、さほどヨーロッパの人たちも気にとめていなかった。ただ、MTBは毎年のように、その進化を進めていった。普通のパイプでは強度が足りず、パイプ径を太くし始め、ハンドルステム等の部品にまでその影響がでてきた。その後、パイプがアルミになったり、パーツメーカーが専用のコンポを出すに従って、その外観も目まぐるしく変化していった。 |
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ヨーロッパ生まれのロードレーサーもずいぶん影響を受けた。レースの世界では自転車の強度問題でMTBの技法を採り入れ、成功してきた。おかげで軽く、強度のあるロードレーサーに進化してきた。入門用スポーツ車も軽く、強いものになってきた。太いフレームパイプにインテグラルヘッド、カーボンのストレートフォーク、少々ぶつけても、フォークが曲がったり、ダウンチューブに皺ができたりすることもなくなった。 |
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時々、これでよいのか?と事故車を見ることがある。自転車は何ともないのだが、人間の方は包帯を巻いている。入門用スポーツ車に乗る人はもちろん素人に近い人である。運転技術も高くない。事故状況を聞いても。昔ならフロントフォークや前輪が壊れてくれることにより、人間が放り出されるようなことがなかったくらいの事故である。何か少し、強度に関してはオーバークオリティになっているような気がしてならない。 |
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ちょっとぶつけただけで、何でこんなに壊れるんだ等と文句を言ってくる人たちが最近増えている。それを警戒してのメーカーの対応策かもしれない。ただ、自動車等は衝突時に如何に壊れて、その乗員を守るかに重きを置いている。そんな点も考慮しながらの設計も、今後、もっと必要になってくるのではないだろうか? |