今月初めに書いたネジの話の続編である。今回も初心者の失敗を少しでも減らすための話を述べたい。先ず、前回の補足として、ネジがきちんと締まるためにはボルトやナット類の当たる面(前回の赤で示した部分)の平面がでている事が重要になってくる。つまり、曲面では締め付けが充分行えないと云うことである。フレームなどではBBのワンが入る面を削ってネジに対して直角の平面を出すためのサーフェイスカッターなどがある。 |
|
|
もちろん、ボルトの頭とネジ部分の直角がきちんとできている事も重要である。廉価もののボルト、ナットではその辺りの精度が悪い。締付けトルクがいろんな取扱説明書で指定してあるが、そこの精度が出ている事が条件になっている。精度が出ていないと規定以上のトルクで締付けないと充分な固定力はでない。 |
|
|
また、ネジは締めるだけ締めればいいと云うものではない。これが初心者には分かっていない事が多い。細いボルトを必要以上に締めたりすると折れたり(もげたり)する。こんな失敗をした人も多いのではなかろうか?それに、ボルト、ナットによっては締めてはいけないものだってある。固定するだけがボルト、ナットではない。調整ネジなどがそうである。MTBのVブレーキ横に小さなボルトが出ていて(スプリングの強弱を調整する)気になったので締めたらブレーキが効かなくなったと云うような笑い話もある。 |
|
|
それに使う工具も重要になる。例えばプラス頭のネジにしてもネジの大小によってプラス部分が大きいものや小さいものがある。その部分にぴたりと合ったドライバーが必要になる。六角レンチで穴に入れたら少しガタがある、そのまま締めたら穴も工具もダメにしたと云う経験をした人も多いのではなかろうか?ドライバーにしても六角レンチにしても、それに合った工具で奥まできちんと押し込んでから作業すると云う点を頭に入れてほしい。それを習慣付ける事で失敗もなくなっていく。 |
|
|
あと、少し難しいのが、固着したネジの緩め方、一気に緩めなければいけない時とじわっと緩めなければならない時がある。これだけは経験を積んでいかねば習得できないかなとも思う。インパクトレンチ等もあるが、使い方を会得しておかなければ逆効果になってしまう事もある。初期段階で、自分ではダメだと思ったら作業を中止してプロに頼んだ方がいいと思う。場合によっては取り返しのつかない事になってしまう事だってある。 |
|
|
自転車を自分でいじるのは楽しいものだが、それが苦手な人もいる。それでもいじる事は必要な事でもある。走りに出てトラブルに遭う、それを克服して帰って来る、そんな事ができなければならない。遠くに行ってパンクしたらどうしよう等と考えていたら近場しか走る事ができない。それでは自転車を得た意味がない。より遠くの見知らぬ土地を走る事が自転車に乗る醍醐味でさえある。 |
|
|
パンク以外にも本当に様々なトラブルがある。ワイヤーが伸びて変速の調子が悪くなった、それ以外の突発的要因もある。転倒した、何かにぶつけた、立てかけていた自転車が倒れたなどでも調子が悪くなったり、走れなくなったりする。そんな時、自分である程度でも対処できるのであれば安心できる。不安をもったまま走り続けては楽しくない。気候もよくなってきた。さあ、出かける時期です!その前に以上の事を頭に入れ、基礎技術を身につけていれば更に楽しく走る事ができるのではないかと思います。 |