カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第300回

清ちゃんのつぶやき(その243)御礼



 ついに今回で300回を迎えてしまった。毎回、節目に書くが、これまで続けてこられたのも、これを読んで下さっている皆さんのおかげと感謝している。週一回(当初はそうでもなかった)、約6年間続けてきたわけである。自分でブログを書き続けている人には理解してもらえるだろうが、継続というのもなかなか大変である。ネタがなくなると云う人もいる、でも何かしらのヒントはあるもので、それを捜し出すのが大変なのである。ヒントはどこにでも転がっている。それに気がつくかどうかだと思う。これは昔、開発をやっていた頃にイヤと云うほど経験した。生みの苦しみというか、アイデアが出るまでは想像を絶する苦労がある。その頃の体験が役に立っているのかもしれないと思う時がある。






 ブログの場合、ヒントがお客さんとの会話やお便りのメールだったりもする。それでもネタが出てくる時は次々と出てきて、3つの違う話を同時進行で書いたりもするが、出てこない時には金曜の夜まで悩んでいたりする。気分転換に押入れの手前辺りをごそごそすると何かが見つかり、コレクションという形で書いたこともある。ブログ作りも苦労する。






 ブログ作りでコレクションなら早い。製品を見ただけで文がすらすら出てくる場合が多い。大抵、書き過ぎて短くまとめあげると云うのがパターンになっている。ひどい時には半分以下にしてしまう。出てこないというのも苦労するが、短くするのも大変である。あれも書きたい、これも入れておきたいと思うとなかなか進まない。長くなり過ぎると読む方もいやになる。とにかく、昔の製品には設計者の思い入れが詰まったものが多い。それが触っているだけで感じ取れてくる。自分も同じような体験をしただけに、どこの部分でどう苦労したかが理解できる。そうすると文も自ずと長くなる。最近の製品でも感じ取れるが、昔とは何かが違うような気がする。






 それに紀行文もなかなか大変である。今、日向往還を書いている。豊後街道の時もそうだったが、意外と距離が稼いでいけない。その理由は、もちろん登りや石畳が続いているような場合もあるが、一番の原因は途中、途中で写真を撮ったりするからである。ブログには載せていないが、載せている倍以上の写真を撮っている。撮影なんてほんの1,2分ではないかと思われるかもしれないが、止まっては写す、これが意外と時間を喰う。アングルを考えたりしていると思わぬ時間がかかっている場合がある。下手をすると100m行っては止まり、また100m行っては止まるというような事を繰り返したりする。走りだけに集中するのなら10里くらいなら半日あれば行ける(と思う)。






 数日間の休みがあれば一気に行くことも可能だが、それもできない。前回終えた地点まで次に行くことになるのだが、山の上あたりで終えてる場合、そこまでまた登らねばならない。クルマ(過日、走行距離が22万キロを超えた)で行くのだが、そこから自転車で下ったらまたクルマを停めている所まで戻らねばならない。戻る場合も同じルートと云うのでは能がない。そこで違うルートで(結局)登る。帰りに登るのはきついので、下にクルマを停め、行きに再度登っていく事もある。それもきつい。とにかく、どこかで停めたらそこまで戻るのだが、20km自転車で走ったら、戻るためにはルートを変えたとしても、結局、同じ距離走らねばならない。自分でも何とバカな事をしているのだろうかと思う時がある。それに、自宅から離れるに従って、クルマでの移動距離・時間も長くなる。豊後街道の時は大分県に入ってからはクルマに乗っている時間の方が長かった事もある。






 それにしても、温泉にしてもそうだったが、若い頃に行くのとは違った眼で物事を見る事ができるようになってきた。昔は温泉に行っても、ああいい湯だなくらいにしか感じなかったが、温泉を知ってくると味わい方が違ってくる。本物が分かるようになってくる。街道もり、歳と共に知識も増えてくる。同じ石碑や史跡を見ても無知だった若い頃とは違って、何かしら考えるものがある。なぜこの碑が建立されたのか、ここで何があって、どうなったのか、そうしてそれがその後にどう影響しているのか、中世や江戸時代、幕末やら明治・大正の頃の時代背景を読み解いていくことの楽しみを得る事ができるようになってきた。






 ブログの苦労話は他にいくらでもある。ソフトな話とハードな話の組み合わせをどうするかとか、ほんの一部の人にしか理解できないようなメカ話はカットするとか、アイデアは出てくるのだが、没にしたりする事もある。実は正直な話、誰にも相談していなかったが、今回の300回を機に一応のピリオドを打とうと思っていた。260回を超えた頃から少しずつ考えていた。一番の理由は、少し時間が欲しかったのである。ブログに費やす時間も多い。他にやりたい事のためのまとまった時間が欲しいと思っていた。日本一周の準備もしたいし、じっくり本を読む為の時間も欲しい。読もうと思い、買っておいた本がもう20冊近く溜まっている。歴史関係が主だが、自転車関係の本も数冊ある。また、周りの荷物の整理もしたい。






 今年、年頭、部屋の荷物を半分にしようと決心した。とにかくモノが多すぎる。衣類や食器等の生活用品もだが、部品のコレクションにしても、クラシックパーツなどはちょっとした自転車屋並みである。コレクターの鉄則、見つけた時に入手するだの、一つはコレクション用、もう一つは使うためのものと云った具合に2セット買ってしまう等の愚行を繰り返した結果である。実際、それで自転車を組んだかというと否である。ヤフオク等を見ていると本当に欲しがっている人もいる。






 それに雑誌やカタログ類、サイスポも創刊号からある。ニューサイにしても然り、それに海外の雑誌や本、カタログも加わってくる。それらも少し整理したいと考えていたのである。整理と云っても捨てるつもりはない。本当に欲しがっている人に売ろうかと考えている。旅行資金くらいにはなるかもしれない。ただ、それ以前にやらなければいけない事、それが分類等である。何をいくつ持っているのか、自分にとって不要なものは何かを整理しなければならない。






 今回、ちょっとした別の事情でそれは中止になった。こんなブログでも毎週楽しみにしている方々がいる。ある程度の期待には応えたいと思う。とにかくそんなわけで「清ちゃんのオーバーホール日記」、もうしばらく続けます。これからもご愛読、お便りの方よろしくお願い致します。



第301回へ続く...

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