今、一台の自転車が入院している。実際の作業はGW明けになると思うが、自転車はミヤタのルマン・ツーリズム、所謂、ランドナーである。同社では普及版のカリフォルニアロードの上に属するクラスであった。ブリヂストンで言えばユーラシアクラスにあたる。製造年月略号からみると1983年3月頃になっている。年代を考慮して改めて見ると、ダブルレバーはデオーレ(初期はツーリング部品だった)のトップマウント。フロント、リヤのディレーラーもデオーレである。トップマウントだと今では融通がきかない。バンド締めのダブルレバーを捜すか(それでも台座は残る)、付いているものを何とか調整するしかない。80年代初頭にシマノが起こしたエアロブームの痕跡がツーリング車にも残っている。 |
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これはこの部品だけに言える事ではないのだが、出てきては消えていった部品や規格も多い。店で最近話題にするのが、今のBB規格、ジャイアントやトレック等、BBの規格だけでも7,8種ある。いずれは2,3つに統一されるのかどうかである。あと5年も経てば「それに合うBBは生産中止になりました」等とメーカーから通知が送られてくるのかもしれない。現在、栄華を誇っているメーカーでもこの先、消えていく可能性があることは過去の歴史からも明白である。 |
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さて話を元に戻して、エアロブームだが今回はギャリのチェンホィルである。これまでにも何回か登場したギャリだが、イタリアの中堅部品メーカーである。仕様としては当時の基本、52x42T、170ミリ長さのクランク、先々の事を考えBBやペダルネジはBSC規格のものを入手している。エアロと言っても、それまでの形状(アーム部分がクランク上部から出ているようなものではない)のクランクとアームの面取りを大きくしただけのものである。それでもなかなかいい形をしているので、それなりに気に入っていた。日本に持ち帰ってから、しばらくして見るとITALYと云う表記がない事に気がついた。ひょっとしてと思い、いろいろ調べてみると何と、フランスのストロングライトのカタログに同じものが載っていた。 |
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以前にディレーラーが一部、フランスのサンプレックス製だった事を書いた。今回のチェンホィルも同じような感じである。確かにチェンホィルそのものはストロングライト製かもしれないが、ワンやアクスルのBBセットはそうでないような感じがする。当時のギャリのカタログでもあれば、どんなグループ構成だったかも分かるのだろうが、残念ながらない。ミラノショーでもブースを出していなかった時期がある。出していたなら写真も撮っていたはずである。この頃になると出展費用も節約していたのだろうと思う。残るは完成車メーカーのカタログだが、ギャリを装着しているメーカーはほとんどなかった。今となっては幻のメーカーになってしまった。イタリアに行って地道に調べるしかないのだろうか。 |