熊本に来る前、関東にいた。かつて選手もしていた。その後は競技役員という形でさまざまなレースに関わってきた。実業団関係が主だが、JCRCといったホビーレースの手伝いもやっていた。ホビーレースの時は主に移動審判である。選手の先頭誘導や、俗に”ケツ拾い”と呼ばれる、タイムオーバーの選手を切っていく役目をオートバイに乗ってやる仕事である。実業団の場合、勝つことが目的なので、勝てないと判った場合にはトップ選手であろうとも自分からリタイヤしてくれることも多く、ケツ拾いも楽である。 |
|
|
ただ、ホビーレースの時は完走が目的という人も多い。オートバイが近づいてくると、何でこんな速度で走れるのに最後尾にいるんだ?と思うほどのスピードで逃げる選手もいる。面白いのが、オールジュラエースのカーボンフレームの選手と、ターニー装備の廉価版MTBに乗った選手が最後尾争いをしている時である。自転車じゃないんだよなぁ等と思ってしまう。 |
|
|
最後尾をやっていると、前を走っている選手で、これはヤバイ!と分かるようになる。案の定、目の前でガードレールに突っ込んでいく。へたな選手が見分けられるようになるのである。 |
|
|
さて、ここで本題、へたっぴーのあなた!なぜ、自分がへたっぴーなのか分かりますか?共通するものがあるのです。それは「目線」。前を見ていないのである。ちゃんと見てるよと言う人もあるかもしれない。コーナーの入り口、ここでガードレールを見るか、コーナーの出口を見るかである。人間、不思議なもので見ている方向に行ってしまう。ガードレールを見ているとそこに突っ込んで行ってしまう。上手い人ほど先の先を見ている。 |
|
|
道路の白線の上を走ろうとする場合、目の前の白線を見ていると真っ直ぐには走れない。しかし、目線を遠くに移し、先の白線を見て走ると、あら不思議、ちゃんと走れるのである。自転車に限らず、これはオートバイや車の運転にも当てはまる。よく、前の車がふらふらしながら走っていたりする。これはそのドライバーが目の前しか見ないで運転しているからである。その場合、少し車間距離を開けておいたほうがいい。車のレーサーの場合、100キロで走るときは100メートル先を、300キロで走るときは300メートル先を見ている。以前に書いたように、そのために良い目が必要なのである。ヨーロッパのプロロードの写真を見てほしい。皆、ちゃんと顔をあげて走っている。うつむき加減で走っている選手は皆無である。 |
|
|
さあ、あなた、明日から少し目線を先にして走ってみましょう。きっと今日よりうまく走れるようになりますよ。 |