カガワの自転車
清ちゃんの
オーバーホール日記



第148回

清ちゃんのつぶやき(その112)ブレーキレバー



 昔、長い間使っていたブレーキレバーが出てきた。相当くたびれている。ダイヤコンペのもので、クイック機構とワイヤーのアジャスター機構が付いている。赤いアルマイト部分も色あせてしまっている。カンパのブレーキレバーを入手するまではロードであろうが、ツーリングであろうが、ずっとこのシリーズのレバーを使い続けていた。一番の理由は自分の手に合っていたからである。マファックのレバーやユニバーサルのレバーも使っていた時期がある。ところが大きい。欧米人の人達の手の大きさを基準にしたものだろうが、とてもじゃないが長時間使うものではなかった。



 ダイヤコンペのものにはレバーパッドがない。後年、別売でも売っていたが、なくとも使えた。バッドがない代わりに、自転車に乗る際にはグローブをするという習慣が身についた。当時のスポーツ車のほとんどがこの系統のレバーを装備していた。何と言っても最大の特徴は構造が非常にシンプル、アルミ板を曲げて作ったものなので重量面でも軽量、尚且つ、低コストだった。そして輪行する場合にワイヤーが外しやすかったこともある。



 ブレーキ本体はダイヤコンペ、ユニバーサルのセンタープル、サイドプル、マファックのカンチといろいろ使っていたが、レバーだけはダイヤコンペだった。握りの部分の薄さもよかったし、レバーそのものの曲がり具合もよかった。その後、カンパを入手し始めてからはカンパになっていく。使い始めて思ったのが、これで欧米人に合っているのだろうか?ということだった。E・メルクスをはじめ欧州のトップライダーが使っているものなのにユニバーサルやマファックみたいに大きくない。



 その後、イノーのエアロマシン(ジタン製)が出てくるとブレーキレバーにも変化が見られるようになった。アウターが上から飛び出していた形状からハンドルを添わせる内蔵型になってきた。この頃からモドロを始めとする新興勢力のものが世に出始める。内蔵式になってからは引きの効率もあるのだが、レバーの支点が従来とは違う位置になってきた。いろいろなレバーを使ってみたが、フッデッド部を握って上からブレーキをかけるにはどれも違和感があった。使っているうちに徐々に慣れてくるのだが、どうしても押さえつけているという感触は残った。


マファック
 また、手を置く位置もカンパの時代とは違ってきた。フッデッド部が前寄りになってきた。そのおかげでレバーを変えるとステムを10ミリ短いものに変えなければならなかった。サドルやブレーキレバーというのは大切なものである。クランクがデュラエースだろうがレコードだろうがあまり関係ない。ただ、先の二点は常に我々の体に接している。いくら高価なサドルやレバーでも自分の体に合っていなければ何にもならない。新商品の発表会が各メーカーで行われているが、これだ!というブレーキレバーにはまだ巡り合っていない。

第149回へ続く...

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